way to "THE FIRST" 開発ストーリー

Episode.2 操作レスのリクライニングを開発

THE FIRST

ノープレッシャー・ノーストレス

………これが?

新素材「3Dネット」を見たときの、正直な感想だった。
約30cm四方にカットされた、厚さ1cm弱の白いシート。
断面をよく見ればなるほど繊維が立体的に織り上げられているが、
手で触れてフワフワするわけでになく、縦横に引張ってみても伸び縮みすらしない。
座り心地のカギを握るといわれてもピンとこないが、
担当氏は胸を張るのだ。伸び縮みしないからいいんです、と。
3Dネットのこうした特性を「引張り弾性が無い=バネ感が無い」と表現する担当氏こそ、
エピソード1に登場するエルゴノミクスの第一人者、A氏である。

「大学で研究を重ねていた期間に、畑違いの人たちと
たくさん知り合うことができました。自動車関係、素材関係、医療関係…。
業界はバラバラですが、共通の目的は人体のメカニズムを掘り下げることです。
3Dネットも、当時お付き合いが始まったメーカーさんから
紹介していただいた素材です」

しかし「引張り弾性が無い=バネ感が無い」と、何がどういいというのか?

「よくあるウレタンのクッションを想像してください。
押すと形が元に戻ろうとしますね。それが弾力、言い換えれば反発力。
気持ちいいように思うんですが、
長時間座っていると身体にとっては徐々にストレスになってきます。
数値的にも、リラックス感のデータが減少傾向を示します。」
一般的な弾力性素材では、座っている間中、身体は体重と同じだけの反発力を受けている。
3Dネットなら身体の曲線に沿って柔軟に曲がるけれども伸縮はせず、撚れることもない。
元に戻ろうとする反発力が弱いので、身体に負担がかからないというわけだ。

「高反発でも低反発でもない、限りなく無反発に近い状態。
ノープレッシャー・ノーストレス、私たちが目指したのはそこなんです。」

ページTOPへ