いい椅子とは何か?
カリモクの椅子づくりは、それを問い直すことから始まりました。
答えは、長い時間座っていても負担を感じず、リラックスできる椅子。
どんな椅子でも、座った瞬間はリラックスする。ところがその状態を保てる椅子は
多くありません。エルゴノミクスを応用したカリモクのチャレンジが始まりました。
エルゴノミクス(人間工学)において約15年に及ぶ研究実績を持つカリモク。 「身体への負担が限りなく小さく、自然体でいられる椅子」をつくるために、 人体を「心理」「生体」の両面から計測して「快適さ」を数値化することに挑み、 カリモク独自の指標EIS(Ergonomic Intelligent System)を定めるに至りました。
計測項目は座ったときの疲労度や負担度、人体寸法や血流など多岐に渡り、 サンプルデータ数は全国3万人+独自に計測した約1千人分にのぼります。 これらを徹底的に分析してデザイン設計へと落とし込むのが、カリモクの椅子づくりです。
カリモクの最新エルゴノミクスに基づいて定めた7項目について基準を満たすと認められた商品には、 快適な座り心地を約束する商品としてカリモク独自の認定マークが付けられます。
この従来のカリモクEISに「脳波+脈波」の生体評価測定をプラスして、カリモク史上最高のくつろぎを形にしたのが、 新型リクライニングチェアー「ザ・ファースト」です。
背もたれを起こした状態とリクライニングした状態とで脳波・脈波を測定し、 3年間に及ぶ研究の膨大なデータを基に人間のリラックス状態とはどのような状態なのかを突き止めました。
リラックスした状態では眠気を表すθ波(紫)、リラックス状態を表すα1波(水色)、 α2波(青)の割合が高く、緊張ストレス状態ではβ波(赤)の割合が高い。
リラックスするとともに脈が小さくなっていき(上図)、緊張が高まると脈が大きくなっていく(下図)。
脳波・脈波データが示すリラックス状態へと身体を導く椅子とは?カギは自律神経のバランス、 クッションの身体への反発力と安定感にあります。 具体的には、自律神経のうち覚醒の高い交感神経優位の状態から覚醒の低い副交感神経優位の状態をいかにつくり出すか。 筋肉の緊張がほぐれ、脈波が安定し、やがて脳波が「心地よさ」を示す、その条件を突き詰めた結果、ザ・ファーストは誕生しました。
ザ・ファーストでは従来型リクライニングチェアーの課題であった「リクライニング時のシートと身体の不快なズレ」をなくし、 理想的な姿勢を保ったままリクライニングする構造に。さらにシート内部に引張り弾性の少ない特殊素材を採用すること等により、 身体への負荷を極限まで抑え、かつ優れた体圧分散性を実現。その他様々な方法によって、 理想的な「ノープレッシャー・ノーストレス」の状態を長時間保つことに成功しています。
ザ・ファースト(左)では、平均して紫(θ)、α1(水色)α2(青)の脳波がより多く出ている時間が長い。
リクライニング状態で1時間座った場合、ザ・ファーストでは脈がより小さくなり、安定していく。
※グラフは、計測データの中から典型的な事例を例として挙げたものです。身体・環境条件によって、結果には差が現れます。